
どちらかと云えば中2病かな? 主人公の男性(32歳)は、うだつが上がらない訳でも、異性との付き合いが苦手な訳でもないようです。食品会社の営業部で東京23区外を担当していた主人公は、先輩女性社員の寿退社に伴って、渋谷地区を引き継ぎすることになるの。彼のナイーブさは、設定が20代男子なら可愛いげがあるのになぁ、むしろラフ&ワイルドに見える女性社員側のほうにむしろ感情移入しましたよ。『営業引き継ぎ』がテーマのサラリーマン小説です。担当地区変更は、営業系の仕事をしたことのある人なら、誰しも経験したことあるでしょう。前任もしくは後任と、取引先への同行したの記憶がある方にとっては、ほろ苦い感情と懐かしさが蘇ってくるかも♪ 山本幸久さんの「渋谷に里帰り」(NHK出版)です。
小学校まで渋谷に住んでいた主人公は、あることをきっかけに、この街が鬼門になっています。20年近くも足を運んでいなかった渋谷は、様変わり。自分は渋谷の記憶といえば、谷状の地形を足のほうがむしろ覚えているのかもしれません。何も考えず、”足の記憶”を頼りに、とことこ歩いていって、目前のあまりの風景の激変にたじろいじゃうことあるもの。主人公が恋する”マドンナ”と足を運んだ映画館、ユーロスペースが円山町に移転していて気まずい雰囲気になっちやうとこ、さもありなんだわ。
(浅草散歩)