
監督お約束の新人女優脱がしと、乳揉みシーンはありますので、その筋の方、ご安心くださいませ♪ 大林監督ご自身がリメイクしたことにより、結末がまったく変わった「転校生」となっています。批判・中傷を恐れることなく潤色しちゃう作家性は、いかにも彼らしく、作品内容とは別次元で好きですよ。60年代の彼の自主映画でのモチーフを織り込んでみたり、決して水平にならない傾いだ構図で撮っていたり、リップシンクロをはずしたり、一般観客を置き去りにする小技が満載! 大林宣彦監督の映画「転校生 さよなら あなた」です。
驚いたことに、旧作では小林聡美さんが演じ、本作では蓮佛美沙子さん演ずる一美が、難病理由で死んじゃいます。泣かせモノとして感動したけどさぁ、希望と未来を予感させてくれた旧作結末の素晴らしさは、まるっきり消滅してますよ。生き残ったものたちの、後ろめたさ感で締め括る彼の映画「廃市」(1984年)系な作品です。
舞台が尾道ではなく、長野になったことにさほど違和感はありません。序盤は、その舞台変更と、登場人物の細かい設定を除いて、旧作を懐かしくトレースしていきます。男女が入れ代わることによる、スラップスティックなシーンとか、ほぼ同じ。一夫役への大林監督の思い入れは、旧作で尾美としのりさんに8mmカメラを与えたのに対し、森田直幸くんへのピアノを与えます。が、入れ代わりしたために、感動的なピアノ弾き語りシーンは蓮佛美沙子さんに取られちゃう。なんとも、存在感が薄い一夫となってしまい、かわいそうだわ。
後半は前述の脚本変更により、死をテーマにしたときの北野武映画みたいなの。「HANABI」「DOLL」を想起させます。ね、「転校生」じゃないでしょ。
(浅草散歩)